皆さんは、
薬膳
という言葉を耳にしたことがありますか?
最近は、食べることと健康の関係が、どんどん重要になっている気がします。
マクロビ、スーパーフードなどなど、健康面を意識した食が注目されていますね。
そういった「食と健康」というジャンルの中で、興味を引いたのが、薬膳でした。
薬膳とは、簡単にいうと、
中国伝統医学(中医学)の考え方に基づき、食材に効能を見出し、食材同士を組み合わせて、体の調子を整える食事
です。
僕は、食べることも、料理をすることもどちらも大好きです。
食材同士を組み合わせることで、色んな味を生み出せるのが、何とも楽しい、まるで日常的な芸術のような魅力を感じていました。
そんな時に出会ったのが、薬膳です。
それまで、美味しさや見た目の楽しさを目指していたところに、更に、体の調子まで整える手助けをしてくれるとは、何て面白いんだろう、まるで生活に根ざした魔法のようと、一気に虜になりました。
薬膳では、中医学における、体や自然、感情、物質などの関係性をもとに、食材が持つ性質を組み合わせて、人それぞれの体質に合った料理を組み立てていきます。
理論を細かく書いていくと、難しいと感じることもあるかもしれません。
とてもシンプルに考えると、薬膳というのは、
食べる人のことを想った料理なのではないかなと、
僕は感じています。
人に寄り添う、とても優しい調理法
それが薬膳の魅力だと思います。
そんな魅力を伝えられるように、これからコツコツと、薬膳のお話をしていきます。
こんにちは。
レートル・エ・ル・ニャン 新美光祐の薬膳テロワールレシピ。
第2弾は『シトロン風味のサーディンとみかんのサラダ』のレシピ紹介です。
大きなレモンの輪切りと、オリーブオイルだけのシンプルでふっくらしたサーディンが魅力の「オイルサーディンシトロン風味」の缶詰を使い、缶詰そのもののおいしさを引き立てるシンプルなサラダです。お酒の席で、前菜として楽しめますよ。
【必要な材料(2~3人分)】
・オイルサーディンシトロン風味の缶詰…1缶
・みかん…1個
・ミニトマト…6~8個
・ブロッコリー…下茹でしたものを1/5房ほど(茎も美味しいのでぜひ)
・パン粉…適量
・オリーブオイル…適量
・塩…適量
・こしょう…適量
・バジル…4~5枚
はじめに、みかんの皮をむいて、ひとつずつ半分に切り込みを入れ開いた状態にしてお皿に敷き詰めましょう。みかんの種類は、その季節にスーパーなどで販売しているみかんならどれでもOKです。
主役のオイルサーディンの缶を開けましょう。とても爽やかな香りが立ち上がります。
ミニトマトも半分に切り、お皿に敷いたみかんの上に散りばめたら、缶詰のオイルサーディンを写真のように並べ、その上にレモンを2枚ほど置きましょう。
その後、下茹でしておいたブロッコリーを乗せ、食感を楽しむためにパン粉をパラパラとかけたら、オープンに投入。約3分くらい焼くといいかなと思います。
じーっと待ちます。この間、お酒を飲んでてもいいですね。
店長もじーっと待ちます。
焼き上がりました!レモンとオイルサーディンの香りが立って、とても美味しそうな焼きあがりです。
塩、こしょうを適量振ってできあがり。テーブルにも塩、こしょうを置いておき、食べる方の好みで味を足せるようにするといいと思います。
一皿ずつ取り分けたら、
はい、完成です。そのままでも食べられるおいしいオイルサーディンの缶詰を使い、ひと手間加えるだけで、ごちそうのようなサラダができあがります。
普段のお食事や、みんなが集まるパーティのときの一皿に、とてもおすすめなサラダですよ!
さて、それぞれの食材を薬膳の目線でお伝えします。
イワシの作用は、疲労回復や、消化機能の促進、不安の解消、血行促進、眼精疲労や、脳の機能を高めてくれます。
レモンの作用は、体に潤いを与え、暑さや喉の渇きの対策。
みかんの作用は、気を巡らし、食欲増進、喉の渇きや肺の燥き対策。
トマトの作用は、体に潤いを与え、口の渇きや食欲不振、暑さ対策。
ブロッコリーの作用は、胃弱改善や、腎の機能を高め、体質改善に。
これからやってくる、じわじわとした暑い季節の前に食べておきたいレシピです。
みかんの代わりに、オレンジなど、今の季節に出回っている柑橘類を使っても大丈夫です。