おはようございます、こうすけです。
今日の薬膳テロワールレシピは、フランスのオーソドックスなサラダ、「キャロット・ラペ」のご紹介。
キャロット・ラペといえば、ビストロや、フレンチの惣菜で定番のサラダです。
ニンジンをふんだんに使った、このサラダは正に薬膳料理にふさわしいひと品。
このキャロット・ラペをベースに、これから数回に渡って、薬膳的なアレンジをしたキャロット・ラペのレシピをお伝えしたいと思います。
今日は、一番ベーシックなキャロット・ラペから。
【材料:2~3人前】
ニンジン:1本
マスタード:小さじ2
ビネガー:20~30cc
ニョンスオリーブオイル:80cc~
ゲランドの塩 顆粒:ひとつまみ
胡椒:適量
キャロット・ラペの「ラペ」は、râpéeと書きます。
フランス語で、「擦りおろす」を意味する言葉。
擦りおろしニンジンといったところでしょうか。
調理器具は、このあたりが揃っていると便利です。
ラペというくらいなので、左の卸し金があると、正しくキャロット・ラペ。
とはいえ、卸し金がなくても、全然大丈夫です。
包丁で千切りでもいいですし、ピーラーで削るようにしても、美味しく仕上がります。
まずは、卸し金で、ニンジンを擦りおろしていきます。
慣れないうちは、擦りおろしづらいので、怪我をしないように気をつけてくださいね。
僕は、未だに苦手です。最後まで擦りおろせたことがありません。
仕上がりは、こんな感じになります。
包丁の場合は、ニンジンを薄くスライスします。
これくらい薄いと、食感もいいので、オススメです。
それを千切りにしていきます。
ラペっぽくしたいので、少し幅広にして見ました。
皮むき器があると、更に便利です。
鰹節のごとく、削っていきます。
ニンジンを持っている指を削らないように、気をつけてくださいね。
仕上がりは、こんな感じです。
今度は、ドレッシングを作っていきます。
今回は、一番シンプルなドレッシングに。
このドレッシングを作るときに、大切なのが乳化させること。
乳化とは、水分と油分を混ぜ合わせて、とろみをつける方法です。
水分と油分を混ぜ合わせるときに、とろみのある食材を加えておくと、乳化しやすいです。
分かりやすいのは、マヨネーズですね。
この場合、とろみのある食材は、卵黄になります。
さて、今回のドレッシングでは、とろみのあるものとして、
マスタード
を使います。
ビネガーにマスタードを加えたら、全体をなじませるように、軽く混ぜ合わせます。
ビネガーは、お好みのものをお使いください。
今回は、リンゴ酢を加えています。
そこに、オリーブオイルを少し加えて、混ぜます。
この「オリーブオイルを少し加えて、混ぜる」を数回繰り返します。
そうすると、だんだん全体が少し濁って、とろみがついてきます。
こんな感じですね。
これが乳化した状態。
ここまできたら、残りのオイルを多めに加えつつ、更に混ぜていきます。
好みのオイリーさに近づいたら、塩を加えて、味を整えます。
それにしても、乳化というのは、素晴らしいですね。
乳化を発見した人は、本当に偉大。
このドレッシングに、先ほどのニンジンを加えて混ぜ、最後にニンジンの葉っぱ(パセリなどでも可)を散らしたら完成です。
ほんのり酸味の効いたドレッシングで、いくらでも食べられる気がします。
では、ここで薬膳的なお話を。
ニンジンは、味が甘く、穏やかな効能を持つ食材とされています。
肺や脾、肝臓の調子を整えると言われています。
消化機能を調えて、胃や消化組織の中に停滞している、未消化なものを取り除くのに、役立ちます。
また、眼の乾燥や疲れ目などにも良いとされています。
中国では、宮廷料理に欠かせない食材の一つで、その昔、皇族の専属医が多用していたとの話もあるほど。
穏やかな性質なので、毎日食べてもいいくらい。
調味料で使ったビネガーも、消化促進や、血行促進などにおすすめ。
マスタードの原料となる、シロガラシの種は、白芥子といって、中医学では、生薬としても使われています。
体を中から温めたり、痛み止めや気を巡らせるのにも用いられます。
こうやって分析してみると、消化促進として、かなり理にかなったサラダですね。
お肉などの付け合せに食べたくなる理由がわかった気がします。
お腹の調子を整えたいときに、食べると良さそうですね。